2026/05/14 15:04

■ なぜわざわざ「自家培養発酵種100%」と表記するのか?
パン屋さんでよく見かける表記に
「イースト」「天然酵母」「自家培養酵母(発酵種)」など、
いろいろありますよね。
それらの酵母の違いはこちらの記事で確認していただいて、
なぜうちのお店では「自家培養発酵種100%」と表記しているのか?
そのままの意味で「自家培養発酵種100%」だからです。
それだけだと少し説明不足なので、今からちょっと説明しますね。
■ 酵母の表記はいろいろある
パン屋さんによってはいろいろな配合や製法の違いがあって、
①「イースト」と「○○天然酵母」を併せた酵母だったり、
②「イースト」に「自家製天然酵母」を少し足した酵母だったり、
③「イースト」「○○天然酵母」「ルヴァン種」を複数使い分けていたり、
お店によって表記が様々なんですね。
それこそ、仮に100%でなくても天然酵母を使っていたら、「天然酵母使用」って謳えるんです。
これ自体は個人店や対面販売形式なら、
そもそも食品表示の表記義務はないので表記がなくても良いのです。
(消費者としては表記があるほうが親切ですよね)
■ 食品表示法としての%表記について
ただ、本来の食品表示法の「%」表記としては、
100%に満たない場合には100%とは表記ができません。
例えば、
①クッキーやパンに含まれている油脂がバターのみの場合
油脂に対する割合としてバター100%となるため義務ではありませんが、
任意の強調表示(アピール)としては、パッケージやPOP等で「バター100%使用」と表示することができます。
②マーガリンや植物性油脂類とのブレンド商品の場合
バターの割合をアピールしたい場合は、「油脂中の割合」を誤解のないように明記する義務があります。
表記ルールとしては、「バター100%」とは書けず、「バター30%使用(油脂中)」のように、
何に対する割合なのかを具体的に数値(%)で表示しないとダメなんです。
■ 対面販売などでは表記が免除される
ただし、落とし穴と言いますか、
これが注文を受けてからその場で袋に詰める(店頭包装)、
またはトレイに乗ったパンをレジで袋に入れるような「対面・ばら売り・量り売り」の場合。
ルールとしては、食品表示法上のラベル表示(一括表示)自体が免除されるため、割合の記載義務はなくてですね。
店頭のPOPに「バター使用!」とだけ書いてあっても、違法ではないんですよね。
もちろんイーストと併用すること自体も、
どのようなパンづくりをするかによる職人の経営戦略みたいなものが関わってくる為、
それら手法に対する否定や言及などはしないのですが、
そうなると、お客様目線では何を見て判断すればいいの…?ってなりませんか?
なので、お客様が判断に迷ったり不安を感じたりすることがないように、
■ 敢えて100%表記にしています。
そして一般的に、そのグレーなところの表記の乱用がされているのも実情で、
正直困るのが、
「よその天然酵母のお店はもっと早くに焼けてる」
「もっとたくさんの種類がある」
と、比較されてしまうことです。
もちろん、お客様のご要望にお応えできていないことは課題でもあるのですが……
どうしても自家培養発酵種のみでのパンづくりをやりたいので、
出来ないことは出来ないのです(笑)
ちょっと長くなってしまいました。
なぜ自家培養発酵種のみでのパンづくりにこだわるのか?は、また次の機会にお話します。
