2026/05/19 22:20

「カンパーニュの話は次回」と持ち越したのですが、ちょっとその前に…
■ みなさん「カンパーニュ」、お好きですか?
ちなみに、「好き」とお答えくださった方は、どういったところがお好きなのでしょうか?
「外側の香ばしい味わいが好き」
バリッとした食感と外皮の香ばしさ、良いですよね。
「中のもちもちした食感も好き」
噛めば噛むほどに食感も香りも良くなりますからね。
「サンドイッチにしても合うから好き」
ちょっとマスタードを効かせたりしても美味しいですよね。
「あの独特な酸味と味わいが好き」
食パンやバゲットとはまた違った酸味と味わい、クセになる美味しさでもあります。
ただ……「酸味」についてはお店によってちょっと違ったりしませんか?
多分、一般的な日本のカンパーニュって
食べやすいマイルドなものになってると思うんですよ。
一方で、伝統的な製法を再現されているパン屋さんのカンパーニュは、
ライ麦や全粒粉からおこすルヴァン種を主に使っていることで、
独特な酸味や旨味を引き出してるから酸味も感じることが出来るんだと思うんですね。
(※ライ麦なのか全粒粉なのか、とか、配合の割合とか、
発酵時間とかで、お店によって酸味の感じ方も幅があります)
■ じゃあ、ここ(当店)もルヴァン種なのよね?
いえ、自家培養酵母のお店ではあるんですけど、レーズン種で作ってます。
そうお答えすると、伝統的な製法のパンを楽しみたい、
または日頃からライ麦パンを好んでいらっしゃる方からは
「なんで???」
みたいな反応をいただきます。
前回、お話ししたようにレーズン種のみでやっているからっていうのもあるのですが、
あの……その、ですね……多分これはパン屋が言ってはダメなんでしょうけど………
ライ麦パンは作りたいし食べたいけど、その……
酸味の強めなパンを日常的に食べたいわけではないので……(小声)
あ、誤解しないでいただけると助かるのですが、
伝統的な製法のカンパーニュを否定してるとかではないです。
ただ自分が酸味に弱い味覚と言うのか、味覚が大人になりきれていないのか…
こう…、自分が思っていた以上の酸味が口に入ってきたときに一気に唾液が分泌されるけど、
噛んで噛んで中和をしても飲み込むときにちょっと頑張って飲み込んでる感があるというか…
ワインやチーズなんかと合わせて優雅に楽しむようなものにも憧れますよ。
でもそういったおしゃれな楽しみ方より先に飲み込みにくさが出てきてしまって、
いや、これ話せば話すだけ批判してるっぽくなるけどそんなんではなくて…
あの…ただ、自分が苦手ってだけですね、ハイ(笑)
あ、でも酸味が全く食べられないわけではないんですよ…?
ただ、好みのラインがマイルド寄りなだけで、ちょっと唾液が出るレベルの酸味はむしろ美味いです。
それがライ麦の香ばしさと合わさるとそれはそれで独特な美味しさだなぁとは思っています。
(いや、これはもう説得力ないな…(笑))
あの、一応、弁明しますけど(笑)
作ったんですよ。ルヴァン種でカンパーニュを。
ただ、やっぱり自分が素直に美味しいと思えるものではなくて。
でも、カンパーニュと言えばルヴァン種だよな…
なら、ライ麦の配合を下げてみようか…とか、
ルヴァン種も酸味が出ないように調整してみようか…とか、
いろいろと試している中でふと、
「あれ?酸味を抑えたいなら、レーズン種で良くないか…?」と。
絶対ルヴァン種でないと作っちゃダメってこともないだろうし、
乳酸菌はレーズン種にもあるし、ライ麦は配合してるし…
なら、レーズン種で作ってもカンパーニュだよな…?
って、思い何度も試作を重ねました。
そして、
バリっとした外皮の香ばしさはもちろん、中は程良く密度もあってしっとりしていて、
噛むほどにもちもちしてくる食感と、
口の中が反応して少し唾液を誘い出すようなほのかなライ麦の酸味、
さらにレーズン酵母の甘みと芳醇な香りが合わさり、
酸味が苦手でも素直に美味しいと思えるカンパーニュに仕上がりました。
つまり、当店のカンパーニュは
■ 「ライ麦パンの奥行きのある複雑な香りや旨味、食感を楽しみながらも食べやすいカンパーニュ」です!
もちろん、伝統的な製法のカンパーニュにしか出せない
別の深さや味わい、美味しさなどもあると思います。
ただ、
「ライ麦パンは食べたい。
けど、酸味が強めなのは苦手なんだよね…。」
「自家培養発酵種で作るカンパーニュか。
聞き慣れないけど、酸味とかどうだろう…?」
「天然酵母パンは硬くて酸っぱいイメージがあるし……」
と、本当は少しライ麦パンも試してみたい、
でも食べきれないかも、と思うとちょっと手が伸びない、
そんなふうに、自分と同じく酸味に対する苦手意識をもってらっしゃる方も、
多分…いらっしゃるんじゃないかと思うんですよね。
そこで、
自家培養発酵種のお店ならルヴァン種でないと!
伝統製法のカンパーニュを作らないと!
と、本当は自分の中では納得できていないのに、
無理してイメージを優先して作るよりも、
自家培養発酵種で作れるからこそ、
自分が素直に美味しいと納得できて、なおかつお客様にもライ麦パンを楽しんでいただける、
■ そんな食べやすいカンパーニュがあってもいいですよね…?
…どうでしょうか?(笑)
さて、酸味の話をしていると、
「天然酵母パン = 堅くて、酸味があって、食べにくい」
よく聞くこのイメージ。
「酸味が苦手って言ってたけど、それならここ(当店)の他のパンはどうなんだろう?」
って気になってきた方もいらっしゃるんじゃないでしょうか?
これも当店にとっては大事なところなので、お話したいのですが、
今回も長くなってしまったので、また次回に(笑)
